詩のボクシング

一昨日、詩のボクシング全国大会、一日ぶっつづけで観戦しました。
素晴らしく面白かったです。
こんなに面白いイベント、もっと前から行っときゃ良かった!
始まって10年目のこのイベント、300名ほど入る会場も立ち見が出るほど。

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詩のボクシングという名前どおり、リング上で詩を朗読し、対戦する。制限時間3分。
ゴングが鳴ると先行青コーナーから朗読を始め、3分経てばそこで試合終了。次に赤コーナーの対戦者が読み上げ、7名の審査員がその場でジャッジ。勝ち上がった方がトーナメント方式で上がっていき、最後に優勝者を決める。
さすが10年目とあって、司会進行も安定しており、それでいて盛り上げる盛り上げる。
なぜかスペイン語交じりの司会者の雄叫びに会場は大盛り上がり。
「セニョ~~~~~~~ル、セェ~~~ニョリィ~~~タァ!!あぁかコゥナァ~~~っ!!」
こんな感じ。
それに対し山田五郎似レフェリーの、極端なまでの冷静さがまたイイ味出していて、
この絶妙なコントラストが見ていてほほえましい。彼らは宝島編集者と福音館書店の編集長さんでした。編集の人たちって相当変わってるんだな、、、

全国17ヵ所の地区大会優勝者が出そろい、すでに対戦順は決まっていた。
月乃さんは5試合目。第一回戦は一気に駆け抜ける。
朗読、、、詩、、、どんなものか全然ピンと来なかったが、始まってみると1試合1試合、手に汗握る名勝負。なぜ言葉にこんなにも気持ちが乗るのだろうか。驚く。
ハナメガネさんの疾風のように駆け抜ける爽やかな朗読。面白おかしいテンション、カッコイイ!心をぎゅっとつかんで離さない。
秋田弁の斗沢テルオさんの朗読には1分たったぐらいからもう号泣。
秋田弁、分からない所もあるけど、気持ちが伝わってきて、涙が出てしまう。親子の愛がしみじみと、わざとらしくなく、詩の世界に描かれている。
坂倉夏奈さん、高校生とは思えないくらいの表現力、視点。彼女の人間性が伝わってくる。
みんな自分なりの愛情表現してる感じ。
その人なりの「本当の言葉」を自分なりの言い方、間の取り方、手足の動かし方、体全部使って、表現してる。地方大会を勝ち抜いてきた人たちだから、実力があるなあ。言葉に嘘がない。ほんのわずかな差で、勝敗が決まっていった。
我らが月乃さんは、3対4のジャッジで残念ながら1回戦敗退。
審査員は、作家の島田雅彦さんを含む歴代チャンピオン7名。
一番のネックは月乃さんの朗読がはたして「詩」と認められるか否か、というところだったと思う。詩を専門的にやっている人から見てどううつるか。
会場は相当受けていて、あきらかに勝った、と思える雰囲気だったが残念ながら札は1つ足りず。惜敗です。

2回戦以降、すごいと思っていた人が平凡な詩を読んであれ?と思ったり、そんなでもないな・・と思った人がバクハツして化けたり。あれよあれよという間に決勝まで進んでいく。
勝ち上がったのは神奈川代表「吉川詩歩」 さん、住所不定山口代表「さのまきこ」さん。
吉川さんはマイクを握った瞬間、ひとこえ発した瞬間に世界をブワッと変える。
彼女の世界を会場全体にしみこませる。張り詰めた、死のにおいの漂う、冷たい、さみしい、世界。
一方のさのさんは、のらりくらりやってたらココまで来ちゃったみたいな。イメージとしてはヤオヨロズの神の中の、テキトーに生きてる系の神様、みたいな、そんな人。
結局制したのは神様の方で。
ジャッジの島田雅彦さん、うまいこと言ってた、「 吉川さんは消滅しようとしている世界を描いている、さのさんの世界はもう消滅してしまったあとの、ひらきなおり。」

夜は団体戦で、昼間ジャッジに回っていた歴代チャンピオン達が続々出場。
なるほどすごい猛者がたくさん。
脳みそフル回転させられました。
夜のジャッジは江国香織、川上弘美、しりあがり寿、ピーター・バラカン、関川夏央さんなど有名人ぞろい。ジャッジの基準も昼の部とは違って、「詩」という形態にそれほどこだわっていなく、面白いと思うほうに札を上げてる感じがした。
優勝は東京チーム。(団体戦は県ごと3名選出の、チームで戦う)
これ、コント?演劇?もはや朗読、詩では無い??と思わせられるネタ続出の東京チーム。しまいには朗読中に電話をかけ、好きな人に告白するという荒技(これもネタかもしれないが)まで披露した東京チームの本田まさゆきさん。彼の度胸には空恐ろしさを感じました。

帰り道、朗読者たちからいただいた、いろんな言葉が私の心を駆け巡る。そしておのずと行き着くのは家族のこと。最近父親に対してのイライラが止まらず、心の中で悪態をついてる日々。でも時々、「このスープ、美味しいな」とか言ってもらえたりすると、なんだか恥ずかしくなり、そっけなく「そうお?良かった」 と答えているときの私の本心について、考えてみた。
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by sinzow | 2009-11-23 15:36 | 日記
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