2007年 02月 01日 ( 1 )

カフカ

1番好きな小説家は?
と聞かれたらカフカと答えるだろう。

22,3歳のころ、初めてグループ展をやったときのこと。
フラっと入ってきたオジサマが、突然
「あなたはカフカを読みなさい」
と言った。
自分も今、銀座で個展をやってるから良かったらいらっしゃい、と言って
ハガキをくれた。
池田龍雄さんという人だった。
あとから知ったが、画家で有名な方だった。

でも私は個展に行けなかった。
「行ったらイタズラされて殺される・・・コンクリート漬けにされ東京湾に捨てられる・・・・・」
と、本気で思っていたのである。
小さい頃からそういう「刷りこみ」をずうっとされてきたので、年上の男性が恐かった。

でも、カフカは読んでみようと思った。



カフカの「変身」

内容は、ある朝目覚めたら巨大な虫になっていた・・・・という突拍子もない設定で始まる。
しかし、なぜかどんどん入り込んでしまうの、その世界に。
主人公のサラリ-マン、虫になってるというのに、どうにか立ちあがって仕事に行こうとする。
ああ、電車に間に合わない・・・とか営業成績が下がる・・・・とか、
今まで自分が生きてきた軸からどうにも離れられない。

虫になっている自分に気付いてるのに。
自分もこんな風に行動してしまうかも、と思っちゃう。妙に現実的なのだ。

そして、どんどんカフカの世界に引き込まれる。
人間の見たくない部分も、見事にえぐり取る。
身に覚えがあるからチクチク刺さる。

良心とは何か
本能とは何か
人間ってなんなんだ?

正しいとか正しくないとかじゃなく、
ここには「本当のこと」が書いてある。
ある朝、虫になっていた、なんて設定なのに。
うっかりその罠にはまって軽い気持ちで入り込んだら
いきなり本題突きつけられる。

すんげえカーブ投げたクセにストライクかよ!!




そしてその後、私の大事な大事な本となった。
今までたくさん本を読んだけど、カフカが私に一番ピンと来る。
教えてくださった池田龍雄さんは瞬時にその事を感じ取ったんだろうか。
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by sinzow | 2007-02-01 12:37 | 日記